お知らせ

神奈川県指定重要文化財本禅寺本堂の保存修理工事

当社が保存修理工事の設計・監理を行った神奈川県指定重要文化財・本禅寺本堂が竣工しました。
本禅寺本堂は、棟札より寛永18(1641)年に建立されたことがわかっている江戸時代の建物で、神奈川県下の日蓮宗本堂の典型的な古例として貴重な遺構です。

本堂には、経年による屋根材の劣化、柱の傾き、軒の垂下等の破損がみられたため、令和元(2019)年度に耐震診断、修理に関する実施設計を行い、令和2(2020)年度から耐震補強及び保存修理工事を始め、令和4(2022)年3月に事業が完了しました。
保存修理工事では、屋根・壁・畳・荒床板・軒廻り・小屋組の一部等を解体し、耐震補強、屋根葺き材の更新、破損した木部の取替・補修等を行いました。耐震補強については、床下及び小屋裏での補強を中心とし、軸部にて補強する際には、壁内あるいは物入れ内などできるだけ見え隠れとなる部分での補強を心掛けました。屋根葺き材の更新にあたっては、向拝は現状の形状を維持した銅板一文字葺とし、身舎は茅葺型屋根銅板葺としました。身舎の屋根については、修理前の大波鉄板葺に葺き替えた大正時代以前は茅葺であったことが調査により明らかになりましたが、防災上の観点等から今回の修理では銅板葺にて茅葺型屋根の形状とし、整備しました。

事業を通して、歴代のご住職、そのご家族、檀家の方々、地域の方々に大切にされてきたご本堂であると感じました。今回の修理が、今後も受け継がれていくための一助となれれば幸いです。

修理前 外観 (撮影:(有)内田工務店)
竣工 外観 (撮影:(有)内田工務店)
竣工 内部 (撮影:(有)内田工務店)

【厚木市HP】
https://www.city.atsugi.kanagawa.jp/soshiki/bunkazaihogoka/1/1/755.html