業務内容

業務内容図
業務内容には、大きく4つの柱があります。 設立期から取り組んできた「歴史的建造物の保存修理と復元」「史跡や名勝庭園の保存修理と整備」「広域的観点による文化財の保存活用」、そして「世界遺産・国際協力事業」まで広がっています。

業務内容

建造物

近年、歴史的建造物を「まちの文化的資産」として捉え直し、地域活性化やまちのアイデンティティの醸成に活かす取り組みが増えています。
私たちは、未指定の文化財を含め、その建物がもつ歴史的背景や仕様を調べ、歴史的価値を見出し、将来へ受け継がれるための道筋を描くことを大切にします。そのアプローチは多様です。保存修理はもちろん、歴史的建造物の復元、知識として適切に伝えるための博物館やガイダンス施設等の空間デザインも行います。
文化財建造物を保存し活用するためには、地震や火災等に対する対策の強化、埋蔵文化財等の他部門との調整、費用面では補助金を活用する可能性なども検討することが必要です。

そのような文化財建造物に係る複雑な課題の解決にむけ、我々は確かな技術に裏付けられた多くの保存修理の経験と、関連する専門家との連携を土台としながらものづくりの総合力を発揮し、トータルな視点でまちの文化財を活かすコンサルティングを行います。

主な業務内容

  • 文化財建造物等の修理計画策定業務
  • 文化財建造物等の保存活用計画策定業務
  • 文化財建造物等の各種調査、図化、歴史的価値の評価支援業務
  • 文化財建造物等の修理に関する基本設計、実施設計、工事監理業務
  • 歴史的建造物の復元検討支援、基本設計、実施設計、工事監理業務
  • 文化財に係る見学施設、博物館等の基本設計、実施設計、工事監理業務
  • 文化財建造物等の耐震診断、補強計画及び設計監理業務
  • 文化財建造物等の防災設備計画作成及び設計監理業務
  • 文化財の修理及び活用事業に係る補助金等の手続や事業管理支援業務
  • 国登録有形文化財建造物等に関する修理等に係る技術指導
  • 歴史的建造物等の文化財指定や登録に係る調査及び手続支援 等

史跡・名勝

史跡や名勝などの整備事業を行うにあたり、企画構想段階から計画立案・設計・監理、工事報告書作成まで、あらゆるプロセスに応じ、一貫したサポートを行います。

古墳、城郭、官衙、集落跡、庭園等の多様な文化財に対して、その場所が持つポテンシャルを的確にとらえ、長年の実践で得られた専門的な修理技術を持って、保存・表現方法の提案、修理・復元の計画・設計を行います。そのうえで、居心地よく、分かりやすい空間づくりに必要なサインや園路、植栽等の環境整備においても、歴史的空間の魅力向上に寄与するよう工夫し、積極的なデザインに取り組みます。

さらに、新たな知見や最新技術、社会情勢についても敏感に意識を向け、現代社会の要望に対応した空間づくりや活用を社内外のデザイナー、専門家と協働しながら、総合的技術力で挑戦していきます。

主な業務内容

  • 遺跡、文化財庭園等の保存活用計画作成
  • 遺跡、文化財庭園等の整備基本計画作成
  • 遺跡、文化財庭園等の修理、復元に関する設計、監理
  • 遺跡、文化財庭園等の環境整備に関する設計、監理 等

世界遺産・
国際協力

世界遺産登録を目指して文化遺産をユネスコに推薦する場合、まずその推薦したい遺産の価値を整理して世界遺産の要件である「顕著な普遍的価値」の可能性をはかり、保存管理のための計画と体制を整え、推薦書を作成する必要があります。その推薦にかかるプロセスの中のさまざまな段階で当社が推薦主体である自治体等を支援・協力しています。業務例として、推薦前の案件の場合は、コンセプト整理、比較研究、課題の整理などの推薦のためのコンサルテーション、推薦までのロードマップ作成・進捗管理、また推薦対象文化財の個別の保存活用計画の策定があります。世界遺産暫定一覧表に掲載され、推薦準備が本格化している案件では、推薦書の原案作成支援、学術委員会及び国際専門家会議等の運営支援をおこないます。

日本からユネスコへの推薦が決定したものについては、推薦書作成支援、英訳および英訳・英文監修のコーディネーション、関連付属資料の英訳、関連印刷物の制作をおこないます。また、すでに世界遺産に登録された文化遺産については、登録後のフォローアップとして、ユネスコ提出用の保全状況調査報告書等の作成支援をしています。

主な業務内容

  • 世界遺産推薦準備支援
    • 国の暫定一覧表未記載の資産をもつ自治体等への推薦に向けたコンサルテーション、ロードマップ作成とその進捗管理
    • 比較研究
    • 推薦対象文化財の個別の保存活用計画策定支援
    • 推薦書原案作成支援
  • 世界遺産 推薦支援
    • 推薦書作成支援、英訳・英文監修コーディネーション
    • 推薦関連の補足資料作成支援
    • 関連印刷物の編集及び作成支援
  • 世界遺産登録資産の保存管理支援
    • ユネスコ提出用 保全状況調査報告書の英訳
    • 遺産影響評価(HIA)基準策定調査
    • 来訪者受け入れ体制準備支援(ガイダンス施設計画、案内板整備等)
    • 景観保全のコンサルテーション
    • 資産の保存整備等への支援
  • 国際協力
    • 国際シンポジウム開催支援

文化財と
まちづくり

地域の文化的特性を見出し、それをまちづくりに生かす取り組みは、全国各地で様々なかたちで行われるようになっています。また、国連の掲げるSDGs(持続的開発目標)の中に多様な文化が持続的開発に貢献するとされています。
都市再生、環境保全、観光開発など、さまざまなプロジェクトが計画されるなかで、 未指定を含めた有形・無形の文化財や身近な生活文化を生かしていこうという機運となっていますが、我々は会社設立期から一貫して、文化財とは有効に活用されてこそ、次世代へと受け継がれていくものだと考えてきました。

歴史的建造物や遺跡・歴史的庭園の修理や保存整備で培った技術と実績をもって、なにより、本物のもつ魅力を伝えることを大切にしながら、各種の政策立案・計画づくりをサポートします。様々な分野の専門家との協働や、ワークショップなどの市民参加手法も取り入れながら、現代の地域社会が抱える課題や現場のニーズを把握し、適切なアイディアやコンセプトを提案、コンサルティングを行います。

主な業務内容

  • 文化財保存活用地域計画の作成
  • 歴史的風致維持向上計画の作成
  • 伝統的建造物群の調査及び保存活用計画作成
  • 文化的景観の調査及び保存活用計画作成
  • 歴史的地区の都市計画、景観計画、道路計画等への助言