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小石川後楽園唐門の復元

特別史跡および特別名勝小石川後楽園内に復元されたこの門は、一間一戸の向唐門です。唐門は水戸徳川藩邸の内庭から大泉水へ向かう正式な入口でした。整備では、庭園としての景観を再現するため、古写真などの資料をもとに門と脇塀を復元しています。当社は復元整備の設計監理を担当しました。
唐門の創建は、江戸初期に来日した明の学者、朱舜水による扁額があったこと、また彫刻の時代性などから、徳川光圀が後楽園を再建した寛文9年(1669)ごろと想定されています。
戦災で消失する前の古写真には、唐門は欄間や妻壁に花鳥の彩色彫刻が見られました。このため正面妻壁は、写真でわずかに確認できる細く白い首の形をもとに鶴と想定し、鶴と組み合わせる文様として牡丹や大和松を再現しました。彩色は伝統的な素材を用い、先端に金箔を貼る江戸期の狩野派の手法を採用しました。扁額は、大正時代の古写真をもとに復元しています。額面には「後楽園」の文字と朱舜水の名、落款が記されており、この門が朱舜水と深いかかわりがあることがわかります。

【小石川後楽園HP】
https://www.tokyo-park.or.jp/park/format/index030.html