当社が設計監理に関わった常磐橋の修理工事が終わりました。
常磐橋は江戸城外郭の正門跡に架設された二連の石造アーチ橋で、十露盤木と呼ばれる伝統的な木質系基礎構造と、江戸城小石川門の石垣を転用した空石積みのアーチから構成されています。文明開化期(明治10年)に東京で築造された石橋としては現存する唯一のものです。
その常磐橋は東日本大震災により大きく変形し、崩落の危険があったため大規模な解体修理をすることになり、当社が設計監理をしました。解体は地形杭と呼ばれる木杭を除いた橋全体に及び、解体過程で得られた様々な調査成果を加味して修理は進められ、歴史的建造物の価値の保存と耐震性・治水安全性の向上を両立し、伝統技法と現代の最新技術を組み合わせた工法により復旧しました。
また、失われていた水切石や鋳鉄製の高欄手摺柵を復元し、親水空間の整備やライトアップによる景観形成を含めた総合的な歴史的空間を創り出しています。
(国指定史跡・千代田区景観まちづくり重要物件・土木学会田中賞受賞)
【千代田区HP】広報千代田 No.1542 令和3年(2021年)4月20日号
https://www.city.chiyoda.lg.jp/koho/kuse/koho/koho/kako/koho2021.html