重要文化財・旧揖斐川橋梁(揖斐川橋)保存修理中の様子を3Dバーチャルツアー(Matterport)でご覧いただけます。
岐阜県大垣市と安八町を結ぶ旧揖斐川橋梁は、明治 20 年に開通した東海道線の鉄道橋として建設された錬鉄トラス橋で現在は歩道橋として使われています。
令和4年に竣工した保存修理工事では、建設以来初めてである全面ブラスト工事(研磨剤を高速で吹付けて、古い塗膜や錆を除去すること)を行いました。旧塗膜を除去し表れた鉄の素肌には、製造元や規格を示すロールマークと共に、ケガキで刻まれた様々な記号が現れました。
これらは施工の過程でつけられたもので、複数の部材が集まる格点周りに同じ記号を印すことで、イギリスの工場で製作し仮組した部材を、日本の現場で正しい位置に再度組立てることが出来ました。これらの組立記号は、「合番(合標)」とも言われ、製作精度やシミュレーション技術が高度化する以前の橋梁建設においては欠かせない技術でした。
今回の工事中に撮影した組立記号が見られる3Dバーチャルツアー(Matterport)は、こちらより確認いただけます。弊社では引き続き、最先端技術を活用したデジタルツインやデジタルアーカイブに取り組んでまいります。
Matterport撮影者:日暮雄一(株式会社日暮写真事務所 https://higuphoto.com)
写真撮影者:大村拓也
【大垣市HP】
文化財概要:https://www.city.ogaki.lg.jp/0000011953.html
修理工事概要:https://www.city.ogaki.lg.jp/cmsfiles/contents/0000033/33605/R03.pdf
【参考】
旧揖斐川橋梁の展示施工についてまとめた「土木史フォーラム」が公開されました。
https://www.jsce.or.jp/committee/hsce/forum/pdf/forum55.pdf