この度、当協会が整備に携わっている無量光院跡において、舞台の整備が完了しました。これに伴い、先日町内関係者向けの舞台完成記念式典が執り行われ、新設された舞台上にて毛越寺に伝わる国の重要無形民俗文化財「延年の舞」が奉納・上演されました。
無量光院跡は、平安時代に奥州藤原氏三代・秀衡公によって造営された寺院跡です。弊社は、平成16年度の基本計画策定から本事業に関わり、平成24年度に着工した整備工事においても、実施設計および設計監理として継続的に携わってまいりました。
無量光院跡の大きな特徴である雄大な園池は、発掘調査の成果に基づき復元を行いました。池に水を湛えるための池底の補強をはじめ、護岸や島の姿を当時の趣のままに再現しています。また、阿弥陀堂においては基壇を復元するとともに、実物の礎石を展示しています。さらに、古色仕上げを施した古代の敷瓦(磚:せん)を製作して敷き並べるなど、調査成果に基づいた空間づくりに努めました。

今回竣工した「舞台」は、平成22年の発掘調査で遺構が確認され、5.9メートル四方の総柱構造であることが判明したものです。調査の所見に基づき、部材にはクリ材を採用して復元しました。 この舞台の完成をもって、無量光院跡における園池エリアの整備は完了となります。今後は引き続き、園池周辺の環境整備へと移行し、歴史的景観の保全に向けた取り組みを進めてまいります。

■ 平泉町様が「第20回(2025年度)日本庭園学会賞」を受賞
平泉町様が「地方公共団体としての日本庭園の調査・研究・保護・整備」において高い評価を受け、第20回(2025年度)日本庭園学会賞を受賞されました。心よりお祝い申し上げます。
平泉町は、毛越寺、観自在王院跡、無量光院跡をはじめとする複数の重要な庭園整備事業が同時に動いている国内でも極めて稀な地域であり、多くの専門家や研究者からも注目を集めています。
当協会は、これまで無量光院跡および観自在王院跡の整備に継続して関わらせていただいており、今回の平泉町様の栄えある受賞に、微力ながら貢献できたことを大変光栄に存じます。今後とも充実した史跡整備に寄与できるよう、技術の向上と誠実な業務に努めてまいります。
■ 2026年、世界遺産登録15周年の節目を迎える平泉へ
2026年は、「平泉 ―仏国土(浄土)を表す建築・庭園及び考古学的遺跡群―」が世界文化遺産に登録されてから15周年という記念すべき節目を迎えます。
美しく整備された園池と、新設された舞台が織りなす浄土庭園の美を、ぜひ現地に足をお運びいただき、肌で感じていただければ幸いです。