お知らせ

史跡高松城跡 桜御門の復元工事

当社が設計・監理を行った史跡高松城跡桜御門復元整備工事が完了し、令和4年7月16日に開門式が行われました。

桜御門(さくらごもん)は江戸時代前期の高松城築城後まもなく創建され、元禄13年(1700)以降は御殿の正門としての機能を持っていました。近代になると披雲閣の正門としての役割を担い、昭和19年(1944)には旧国宝保存法により国宝(現在の重要文化財)に指定されることが内定していましたが、昭和20年(1945)の高松空襲で被災し焼失しました。
当社は平成24年から26年にかけて基本設計、同28年度に実施設計、令和元年度から同4年6月に至る復元整備工事の工事監理を担当しました。
設計にあたっては旧国宝指定申請用として撮影された鮮明な古写真が重要な復元根拠資料となったのに加え、礎石遺構、出土した瓦、漆喰片等の遺物などを参考として外部意匠を再現し、城内に残る江戸期の建築遺構の調査結果を踏まえて内部の再現に至りました。
伝統的な技法も含めて再現する一方で公開活用に向けた現在の耐震基準に適応させるため、現代的な補強部材を用いた耐震補強も行っています。

史跡、名勝、重要文化財と三つの文化財指定を受ける高松城跡ですが、桜御門の復元、活用によってさらなる魅力が加わることを期待します。

桜御門竣工正面
桜御門内部
原寸模型による確認の様子