平成30年より一時閉館していました八丈島歴史民俗資料館が、修理・耐震工事を経て令和7年10月1日にオープンしました。当社は耐震診断、保存活用計画策定と、設計・工事において技術協力として携わっています。
八丈島歴民俗資料館の前身は、東京府の八丈支庁庁舎であり、都内に現存する数少ない木造庁舎建築です。明治期に東京府が島統治のために建てた前身の支庁庁舎は、現存する本館と極めて似た外観と間取りの建物でした。昭和13年に八丈島に上陸した台風により前身建物は大破してしまいましたが、翌14年に再建されています。昭和18年には新館を増築しており、本館と併せて登録有形文化財に登録されています。
昭和50年に歴史民俗資料館へ転用後、島民に親しまれ島内観光の拠点の一つとして利用されてきましたが、開館以来、根本的な改修をおこなっていなかったため老朽化が著しく修理が急務とされていました。
今回の工事では保存修理を中心に耐震補強、設備更新を行い、展示の大幅なリニューアルをおこないました。外装の下見板は大半劣化が著しく、本来であれば全て取替えもあり得ましたが、外観維持のために何とか繕って再用に努めました。外観の下見板にわずかに残る塗料を頼りに外壁も塗り直しています。内装材の残存状況も良いため、耐震補強は主に見え隠れに設置していますが、やむを得ず表にでてくる補強は内観に馴染むように木格子を採用しています。
内外観とも当時の材料が多くのこされる建物で近代の面影を感じていただきながら、古くは縄文時代からの続く島独自の文化は見どころが多く、新たな展示で充実したものになっています。この機会に一度ご来館ください。
【八丈島HP】
https://www.town.hachijo.tokyo.jp/kakuka/kyouiku/rekimin.html

(撮影:株式会社日展(八丈写真館))

(展示設計・施工:株式会社日展、撮影:株式会社日展(八丈写真館))
